地域振興の拠点として期待される「道の駅ましこ」(栃木県芳賀郡益子町)
地域の自慢を発信する、手作り感満載の商品群
施設内は大きな空間を活かすように、梁を受ける土壁と、手作りの商品陳列棚によって緩やかに空間が仕切られている。南側の出入り口から入ると正面に新鮮な野菜が並ぶ「ましこのマルシェ」があり、果物、野菜のほかに、お弁当、お菓子、総菜、パンなどのコーナーがある。右手に進むと、栃木県のお土産品、工芸品コーナーで、さらに右手奥には益子焼の作家棚、益子の手仕事を紹介する企画展示コーナー、ワークショップなどの多目的スペース、北側奥にはカフェレストラン「ましこのごはん」がある。
神田支配人と山_さんは、オープンに向けて県内の道の駅をくまなく回り、扱われている商品の傾向を調査。全国区の商品は出来る限り避け、なるべく地元の品で構成することをメインコンセプトに据えた。オープン3年前に準備店舗として稼働していた直売所ですでに150件弱の農家と直接取引があり、一般商品150件を加えて、現在300件と直接取引している。
また、地元の農産物を使った加工品の開発に力を注いでいる。現在、自社商品を代表する「ましこピクルス」「とろたまプリン」は贈答用としても人気だ。この日、ひと際賑わっていたのがドレッシングの試食コーナーで、地元の女性たちが、“益子の野菜と菜種油を使い、保存料を一切使わない”を条件に開発したオリジナル商品が並ぶ。ビーツ&トマト味、焼シイタケ味など珍しいドレッシングが20種類ほどあり、思わず味見したくなる。お惣菜コーナーでは、管理栄養士がつくる体に優しいお惣菜をはじめ、町内のさまざまな業態の人たちが独自の加工品で参加している。
「他の道の駅を回っても、弁当などは業者さんを入れているところが多いですが、益子は“おばちゃんパワー度”が高いのか、皆さんちゃんと保健所の許可を取って出品しています。まさに町内連携ですね。今後も農商工連携、農業の6次産業化の拠点にしていきたいです」と、神田支配人は話す。
このコラムの関連キーワード
公開日:2017年07月31日