省エネ関連法規・制度

住宅・建築物の省エネ関連法規・制度

はじめに

エネルギー消費量の増加と温室効果ガス排出量の増大を受け、住宅・建築物部門では省エネ・地球温暖化対策の一層の充実が求められています。建築物のエネルギー消費性能の向上を図るため、 平成27年7月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)が公布されたました。この法令に基づく住宅・建築物の省エネルギー基準は、「一次エネルギー消費量」※1を指標にすることで、建物全体の省エネ性能をより分かりやすく把握できる基準です。 また、さらに高い省エネルギー性能を有する低炭素建築物認定制度やネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)の適合基準も公表されています。ここでは、これらの基準・制度のうち住宅にかかわる内容や、省エネ計算に必要な資料・ツールについてご紹介します。

  1. ※1 石油・石炭・天然ガス等の化石燃料、原子力の燃料であるウランなどのエネルギーのことをいいます。 これに対し、電気・ガソリン・灯油・都市ガス等、一次エネルギーを利用しやすいように変換・加工して得られるエネルギーのことを二次エネルギーといい、 私たちが日常生活で使用するエネルギーはすべて二次エネルギーです。省エネルギー基準、低炭素認定基準においては、一次エネルギーをベースとして評価を行います。

「建築物省エネ法」2019年11月15日改正のポイント

審査の対象と内容について

建築物省エネ法ではすべての建築物が対象となりますが、建築物(建物)は住宅か、住宅以外かの利用目的と床面積(規模)で内容が異なります。
規模については、大規模(2,000u以上)と中規模(300u以上 2,000u未満)および小規模 (300u未満)の3種類に分類されます。2019年の改正で、

  1. ① 中規模の非住宅建築物が省エネ基準の適合義務化に対象を拡大
  2. ② 小規模のすべての建築物に建築士による建築主への省エネ基準の適否を説明することを義務化
  3. ③ 住宅トップランナー基準を見直し、新たに注文戸建と賃貸アパートを一定規模以上供給する事業者を追加すること

が盛り込まれました。

小規模な住宅・建築物(非住宅)の説明義務化について

小規模(延べ面積300u 未満を想定)の住宅・建築物の新築等の際に、建築士から建築主に対し省エネ性能の 以下@、Aについて書面で説明を義務付けられます。

  1. ① 省エネ基準への適否
  2. ② 適合しない場合は、省エネ性能確保のための措置
  • ※画像はイメージです。
  • ※令和元年度 改正建築物省エネ法説明会 および 住宅省エネ技術講習会資料より引用

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