省エネルギー基準

建築物省エネ法で規定する省エネ性能の評価基準には2つの基準が設けられています。

  1. ① 窓や外壁などの外皮性能を評価
  2. ② 設備機器等の一次エネルギー消費量を評価

省エネ性能を評価するためには4つの評価方法があり、最も作業量の少ない仕様基準は基準の合否判定は可能ですが、採用できる商品に制約があります。標準計算は商品を自由に選択して省エネ計算することができる反面、作業量が多くなりがちです。

LIXILでは標準計算・簡易計算を支援する無償ツールや有償サポートをご用意しています。

外皮の熱性能に関する基準

外皮の熱性能に関する基準

(1)外皮平均熱貫流率( UA値)
住宅の内部から外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。値が小さいほど、省エネルギー性能が高いことを示します。
(2)冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)
冷房期に、外皮の各部位から入射する日射量を外皮全体で平均した値です。冷房期の日射熱取得量を外皮の部位の面積の合計で除し、×100した値です。

外皮性能基準

2019年5月の「建築物省エネ法」一部改正で地域区分の見直しがされています。2019年11月より施行され、並行期間を設け、完全施行は2021年4月予定となっています。
なお、8地域については、「外皮基準の合理化が図られ、冷房期の平均日射熱取得率の基準値(ηAC値が従来の「3.2以下」から「6.7以下」に修正されます。(その他要件変更あり)

地域区分 1 2 3 4 5 6 7 8
外皮平均熱貫流率の基準値[W/(u・K)] 0.46以下 0.46以下 0.56以下 0.75以下 0.87以下 0.87以下 0.87以下
冷房期の平均日射熱取得率の基準値値(ηAC値) 3.0以下 2.8以下 2.7以下 3.2以下

詳細は「国土交通省 改正建築物省エネ法のページ掲載 地域区分新旧表(PDF 7,868KB)」をご確認ください。

一次エネルギー消費量に関する基準

評価対象となる住宅において、①地域区分や床面積等の共通条件のもと、②実際の住宅の設計仕様で算定した設計一次エネルギー消費量が、③基準仕様で算定した基準一次エネルギー消費量以下となることを基本とします。一次エネルギー消費量は「暖冷房設備」、「換気設備」、「照明設備」、「給湯設備」、「家電等※1」のエネルギー消費量を合計して算出します。また、太陽光発電設備やコージェネレーション設備による創出効果は、自家消費分についてをエネルギー削減量として差し引くことができます。

住宅の一次エネルギー消費量基準における算定のフロー

住宅の一次エネルギー消費量基準における算定のフロー
  1. ※1 家電及び調理のエネルギー消費量。建築設備に含まれないことから、省エネルギー手法は考慮せず、 床面積に応じた同一の標準値を設計一次エネルギー消費量及び基準一次エネルギー消費量の両方に使用する。
  2. ※2 コージェネレーション設備により発電されたエネルギー量も含まれる。

一次エネルギー消費量の算定・評価は、国立研究開発法人 建築研究所の「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) 」を用いて行います。
エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) は、国立研究開発法人 建築研究所のホームページにて公開されています。

国立研究開発法人 建築研究所 建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報

上記の基準に適合させる方法以外にも、仕様基準で省エネルギー基準に適合させることも可能です。ただし、仕様基準は低炭素建築物認定制度やZEH基準に用いることは出来ません。

省エネルギー基準適合住宅における優遇措置について

金利優遇(住宅について)

省エネルギー基準適合住宅は、住宅ローン【フラット35】S(金利Bプラン)の省エネルギー性の基準に該当します。フラット35の金利から当初5年間0.25%引き下げられます。

2019年10月15日現在

関連コンテンツ