2021/06/25
LIXILでは、今年3月に新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、
国内ホテル・施設の宿泊状況/利用ニーズの実態を把握すべく、インターネット調査を実施しました。
今回はその調査結果を第1弾レポートとしてお届けするとともに、
注目すべきお客様の宿泊ニーズ等を紹介してまいります。
<ホテルに関する調査 概要>
- インターネット定量調査
- 対象者:男女20〜79歳(全国)
- 対象者数:スクリーニング回収数10,000ss、本調査600ss
- 調査日:2021年3月11日〜3月15日
「コロナ禍」で宿泊状況が減少するも、
「コロナ収束後」はプライベート利用で復調の兆し。
【図1】は新型コロナウイルス感染症による全体的な影響を把握するために、「コロナ禍前」「コロナ禍」「コロナ収束後」での宿泊状況について伺ったものです。
利用形態としてプライベート、ビジネスともに「コロナ禍前」に比べ「コロナ禍」では大きく減少していることがわかります。ただ、「コロナ収束後」にはプライベートでの宿泊意向が増加・回復する兆しが見られています。
【図1】「国内のホテル・施設」宿泊状況
【図2】プライベート利用での宿泊施設の種別で見ると、「コロナ収束後」の宿泊予定としては、「リゾートホテル」および「旅館」が「コロナ禍前」を上回る結果となっています。緊急事態宣言等で外出自粛が求められてきた中、自粛疲れや在宅ストレス等により、休養やリフレッシュを目的にした宿泊意向は逆に高まっているのではないでしょうか。
さらに性年代別では、特に女性20代、30代の「コロナ収束後」の「旅館」「リゾートホテル」利用意向(約60%)が、「コロナ禍前」を大きく上回る結果となっているのもポイントです。
【図2】「国内のホテル・施設」プライベートでの宿泊状況
また、ホテルの利用目的としては、「休養・リフレッシュ」が最も多く、次いで「名所・旧跡の観光」「街歩き・都市散策」等、休暇での利用を想定したものが上位を占めています。
ホテルの利用目的 TOP5(複数回答可)
- 1位:休養・リフレッシュのため(52.2%)
- 2位:名所・旧跡の観光(41.7%)
- 3位:街歩き・都市散策(36.2%)
- 4位:ホテルの温泉や露天風呂利用(34.7%)
- 5位:テーマパーク利用(21.7%)
続いて、【図3】は宿泊時の同伴者に関する設問です。同伴者は「配偶者」(56%)が圧倒的に多く、「1人(自身のみ)」(33%)、「子ども」(31.8%)、「友人」(22%)と続きます。性別で見ると、男性は「配偶者」「1人」が多いのに対し、女性はそれに加え「友人」も3割を占めるなど、男女間で差が見られることがわかりました。先に述べた、「コロナ収束後」の女性20代、30代の高い宿泊意向を踏まえ、「女性限定ルーム」「女子会プラン」等の需要増が見込まれるかもしれません。
【図3】宿泊時の同伴者について教えてください。
希望する客室タイプは「浴室とトイレ・洗面が別」が大半
ホテル客室のお風呂で「必ず湯船につかりたい」が約4割。
ホテル選びの際に重視するポイントとしては、「客室の広さや間取り」「Wi-Fi接続・有線LAN接続」が上位で、その他、水まわりに関する様々な意向も高い状況にあります。コロナ禍において重視するポイントとしては、「換気の良さ」や「抗菌・抗ウイルス」等が多く、感染予防に対する意識が高まっていることもわかります。
【図4】ホテル選びの際に重視されるポイントは?
重視する客室タイプとしては「浴室とトイレ・洗面が別」と回答された方が約36%。中でも女性20代、30代の方は約46%と大半を占めています。さらに「追加料金を払っても良い」と考える方が、半数以上いることもわかりました。【図3】の通り、宿泊時に同伴者がいる場合が多いため、浴室とトイレ・洗面がわかれているタイプへのこだわり・ニーズが高いものと推測されます。
<「浴室とトイレ・洗面が別」へのニーズ>
最後に、客室での過ごし方として、お風呂の湯船の利用について伺った質問(【図5】)では「湯船に入りたい」という方が約4割。休養やリフレッシュでの宿泊意向が高まる中で、客室のお風呂でもゆっくり入浴したい、というニーズが現れているのかもしれません。
【図5】宿泊時、客室のお風呂で湯船に入りたいですか?
いかがでしたでしょうか。
コロナの影響で大きく変化した国内ホテル・施設の宿泊状況やお客様ニーズ。
特に、客室に求められる「浴室とトイレ・洗面が別」やお風呂へのこだわりにおいて、
“アウトベイシン”スタイルへの対応が、今後のホテル経営・運営のポイントになるかもしれません。
全3回でお届け予定の「最新調査レポート」、
次回は水回りの利用意向等についてご紹介します。