2020/08/06
世界の観光業界・宿泊施設に深刻な影響をもたらした新型コロナウイルス感染症。
今後、より一層重視されるお客様の安心と安全、そのための感染拡大予防対策において、
各施設が、新しい「清掃・衛生基準」への取組を模索している現状_。
そんな中、客室清掃で特に重要な水まわり空間で注目される“アウトベイシン”スタイルとは?
アフターコロナの時代、
旅行・観光業に迫られる
新たな「清掃・衛生基準」への取組
まずおさえておきたいのが、新型コロナウイルス感染症がもたらした観光業界への影響。
国土交通省「観光白書」(令和2年版)によると、宿泊施設の客室稼働率は2020年4月前年同月に比べ9割程度減少しています。
また2019年に過去最高だった3,000万人を超える訪日外国人旅行者数も大幅に減少。2020年4月においては前年同月比99.9%減の2,900人となっています。国内の緊急事態宣言が解除された2020年8月現在も、外国人旅行者による国内観光需要は失われたままの状況です。
新型コロナウイルス感染症の拡大をめぐる宿泊施設の対応としては、2020年5月14日、39県で緊急事態宣言が解除されたことを受け(のちに全国で解除)、「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」が、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟より発表されました。
感染症対策専門家会議の提言に従って、感染防止対策として留意すべき基本原則や各エリア・場面の留意点等が明記されています。従業員と宿泊客、宿泊客同士の接触をできるだけ避けることや、チェックイン/アウトでの密の回避、マスクの着用などとなっています。客室における換気、清掃作業についても、細かいガイドラインが設けられており、各施設の清掃・衛生基準の指標となっています。
お客様の安全・安心を確保する、施設独自の対策や取組。
客室清掃で特に重要な“水まわり”
対策が、これからの差別化に。
さらに、世界の大手リゾートホテルチェーン各社が感染症の専門家や医療機関等と連携し、独自の衛生基準や感染予防対策を続々と発表。日本でも大手ホテルチェーンをはじめ、様々なホテル・旅館等が新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた対策や取組を打ち出しています。
最近のホテル利用に関する消費者への意識調査の多くでも、「宿泊施設の新型コロナウイルス対策を重視する」という声が大部分を占めています。立地や快適性、サービス等が重視されていたコロナ以前と比べ、ホテル利用に関する大きな変化が起きていると言えます。
特に重要になるのが、滞在時の多くを過ごす客室の衛生・清掃基準。中でも、LIXILが過去に行った宿泊施設に関する調査では、お客様にとって「リピート利用しない客室の理由」として、“水まわり”に関する不満が集中しています。さらに清掃スタッフにとっても、日々の清掃で最も負担に感じているのが浴室まわりの清掃。同様にトイレや洗面などの清掃も上位に入る結果となっています。
アフターコロナの時代、客室清掃・衛生の基準がますます重視される今こそ、「水まわり」清掃に対する取組や新たな対策が必要になってきています。
リピート利用しない客室の設備(抜粋)
日々の清掃業務における効率改善、
さらには
清掃スタッフの安全確保にもつながる“アウトベイシン”。
ここで重要になるのが、清掃スタッフの安全面の確保であり、個々人の感染症予防対策です。清掃作業時のマスク・手袋着用、作業前後の手指消毒等の対策、日々の体調チェックなどの管理はもちろん、各部屋ごとの清掃性向上・清掃時間短縮や、汚れづらい水まわりの整備がポイントになります。
そんな今、注目されているのが“アウトベイシン”スタイル。“アウトベイシン”(basin:洗面)とは、洗面とトイレを浴室から独立させた空間のこと。トイレ、洗面が独立していることでより衛生的で、シャワー・浴槽からの水濡れによる影響が抑えられことで清掃性向上につながります。
アウトベイシンスタイル
3つのメリット(WET×DRY)
1 清掃時間が短くなる
シャワーカーテンを
止水ドアに
変えることで
乾燥の手間がなくなり、
清掃時間が大幅に短縮
2 衛生的で清掃性が高まる
トイレ・洗面空間の
水濡れが
抑えられて
衛生的、清掃性も
大幅に向上
3 使いやすく快適
シャワー利用も入浴も
しやすい、
お客様にとって
使いやすく
快適な
浴室空間に
いかがでしたでしょうか。
客室清掃で特に重要となる水まわりにおいて、
清掃性が大幅にアップすることで、日々の清掃業務における負担を軽減でき、
お客様にとっての安心・安全、そして快適な滞在をサポートする“アウトベイシン”という新スタイルの導入。
これからのホテル客室における、新しい衛生・清掃基準を考えるきっかけになるのではないでしょうか?