HOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITION
LIXIL× 伊東豊雄 ――「住の先へ」
アプローチ
あいまいな「境界」がつくる柔らかな外皮
アプローチは、人を迎え入れ送り出すための通路であり、都市型の住宅では玄関によって内と外が明確に遮断されています。ここでは、アプローチを区切るのは「縦型ルーバー」を組み込んだ大型の引戸。戸を開け放つことで内部と外部を一体化したり、ルーバーの角度を調整することで、環境や周辺地域との関係に応じた内外の連続性をつくりだすことができます。明確な遮断とは異なるあいまいな境界が柔らかな外皮をつくり、あたたかく人を迎えいれる空間性を演出します。
懐かしいデザインに込められた機能性 縦型ルーバー [参考商品]
縦のラインの連なりは町家に使われる格子に似て、住まいに懐かしい雰囲気を加味します。上中下と3分割されたルーバーの角度を変えることで、季節や時間に応じた採光制御が可能です。縦型にしたことで、道路など一定角度からの視線を遮りつつ採光・通風が可能になり、安全で快適な半屋外空間を作ります。
自然な涼感が気持ち良い パッシブクーリングウォール [参考品]
蒸散、冷却効果のあるセラミックス素材のブロックです。吸水したブロック壁は通過する空気を冷却、打ち水効果で自然の涼感を演出します。エクステリア空間の気温を下げる効果はもちろん、アスファルトの照り返しを遮断することで外壁面の温度を低下させ、建物の負荷を減らします。素材の気孔径とスリット形状により吸保水と蒸散のバランスを長時間保ちます。
このコラムの関連キーワード
公開日:2014年06月30日