LIXIL × Architects - 住宅編 Vol.02
島田陽×SATIS : 伊丹の住居「家具のようにトイレを收める」
島田陽(建築家)
コンパクトな空間に収まるタンクレストイレ
シンプルな形態は華やかなクロス張りの壁に映える
リビングの中に置かれた家具のひとつのようにしてトイレをつくるという島田さんの設計意図を実現するには、その大きさを抑えてつくる必要があります。
トイレ空間の幅は内法で765mm。しかし内側に飛び出した厚みはわずか300mmしかありません。これはトイレ空間の3分の2ほどを、外壁から飛び出させているからです。
このコンパクトな空間に収めるトイレとして、島田さんが選んだのが、LIXILの「SATIS」でした。タンクレスで奥行きが短いサイズが、今回は器具選びの決め手となったそうです。
とはいうものの、島田さんはこれまでに設計した多くの住宅で「SATIS」を採用してきました。その理由を「シンプルで押しつけがましくないデザインがSATISの魅力。もちろん節水性や掃除のしやすさといった機能面にも満足している」と説明してくれました。
扉を開けると、内部は花柄のクロス張り。白い壁と白木の造作による無彩色のインテリア空間に、突如として現れる鮮烈な色と模様に驚かされます。
「当初の設計では合板をそのまま現した仕上げを考えていたが、トイレに入るとき箱の中に閉じ込められたような感じにならないようにと、華やかなクロスを敢えて選んだ」と島田さん。
ゆったりと自然体で暮らすこの住宅の住まい手にとって、このトイレは生活のアクセントになっているのかもしれません。派手なパターンの内壁を背景にして、白の「SATIS」はよりいっそう映えて見えました。
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【建築概要】
伊丹の住居
- 所在地:
- 兵庫県伊丹市
- 用途地域:
- 第二種中高層住宅専用地域 第二種高度地区 法22条地域
- 家族構成:
- 夫婦+子ども1人
- 意匠設計:
- タトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所
- 構造・規模:
- 鉄骨造・3階建て
- 構造設計:
- S3 Associates
- 敷地面積:
- 59.16m2
- 施工:
- コハツ
- 建築面積:
- 34.95m2
- 設計期間:
- 2010年6月?2011年10月
- 延床面積:
- 96.88m2
- 施工期間:
- 2012年5月?9月
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公開日:2014年06月30日