「INAXタイルコンサルティングルーム大阪」オープン記念セミナー レポート

ミラノサローネ2019 トレンドウォッチング

安藤眞代 (インテリアデザイナー、studio Ma 代表)

主要ブランドの展示紹介

ここではセミナーで紹介したブランドの展示ブースの中から厳選したものをご紹介します。

「フロス(FLOS)」

佐藤オオキのデザイン事務所 NENDOによる照明

パッと見てすぐわかるNENDOらしい線の細い照明。
LEDによって照明が機能性を超えたアートのようになってきていると思いました。

FLOS

「ビー アンド ビー イタリア(B&B Italia)」

球形のフットレストに結び付けられた想像上の女性の身体で、「男性の偏見」のイメージとされています。
昨今のMeToo運動に始まる、女性軽視の流れを汲み取る形で、50年経っても、そのテーマは引き続き話題になっていました。
本会場外のドゥーモ前にも400本の矢が刺さった大きなオブジェとして展示されていました。
サローネが社会的メッセージを発信できる場になっているということを感じました。

B&B Italia 1
B&B Italia 2

「フェンディ(FENDI)」

ナチュラルトーン、上質なベルベット素材にアクセントとしてストライプを使っていました。
毛足の短いベルベット素材はFENDIに限らず、よく見られました。
また、角を丸くした家具がすごくラグジュアリーなブランドの家具には多かったですね。
チャック部分をあえてデザインとして見せる椅子もあったのは面白いなと思いました。

FENDI 1
FENDI 2
FENDI 3

「パオラ レンティ(paola lenti)」

ミラノ中心部から少し離れた倉庫を丸ごと一棟貸し切った特別展示空間に。
アウトドア家具として一躍有名になったパオラ・レンティの「色の魔術師」とも言われる鮮やかな色の家具はとても印象的でした。
ワクワクするような色使いと家具がアトラクションのようなエンターテインメント性を持っていました。

パオラ レンティ(paola lenti)1
パオラ レンティ(paola lenti)2
パオラ レンティ(paola lenti)3

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」

ミラノのパラッツォ・セルベローニにて「ルイ・ヴィトン オブジェ・ノマド コレクション」としてルイ・ヴィトンのデザインからインスパイアされた家具や照明器具が展示されています。
マンダリンスクリーンと言われる円形の間仕切りはファッションブランドならではデザイン。ファッション業界で今トレンドの仏教やヒンドゥーのテーマが込められているのがおもしろいなと思います。
会場の宮殿の階段に吊るされた照明は深海をイメージしたもの。歴史的な建物にきれいな色の照明があると本当に深海を漂っているようで独特な展示でした。

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)1
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)2
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)3
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)4

さいごに
ミラノサローネの活用法

ご覧いただいたようにミラノサローネの規模は膨大で、全てを見切るのはほぼ不可能です。
また、展示についての解釈や見どころも人それぞれにあっていいと思います。
実際に現地に足を運んで、その中で、どう咀嚼して自分の仕事に取り入れるかを考えるのはとてもよいことだと思います。
若手だったら、サテリテに出展して色々な可能性を試したり、インテリアコーディネーターだったら、トレンドカラーを少し取り入れた提案をお客様にしてみるとか。
色々な活かし方ができる展示会がミラノサローネだと思います。

安藤 眞代

安藤 眞代

<プロフィール>
インテリアデザイナー studio Ma 代表
(公社)日本インテリアデザイナー協会(JID) 西日本エリア長
英国インテリアデザイン協会正会員(BIID)

インテリアデザイナーとして、メーカーの商品企画提案・デザインから商品化まで一貫した物作りに携わる。
長年の豊富な実績から、インテリア空間をトータルにデザイン提案。渡英の経験からエクレクティック(折衷)スタイルインテリアを得意とする。

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公開日:2019年06月26日