2024/03/25
今回は、一般のホテルユーザーに実施した、オンラインインタビューなどの調査から、
ゲストがホテルの選定時に、ホテル浴室のどのような点に注目しているのか、
また宿泊時に、どのようにホテルでのバスタイムを楽しんでいるのかをご紹介します。
自宅で入るお風呂とは違った、非日常の中での入浴シーン。
ホテルでのバスタイムにゲストが求めている価値を掘り下げます。
ホテル選びの時点で、ゲストは水まわりのどんなところをチェックしている?
ホテルのホームページや予約サイト、SNSなど、さまざまなツールを駆使して情報を得ているゲスト。水まわりに関しては、「バス・トイレが別になっていること」「清潔感や新しさ」「浴室やバスタブの広さ」に注目して情報を探している人が多いようです。ホームページなどでも、浴室の写真を必ずチェックするという声や、ネガティブなものも含めて口コミを確認するという声も多く聞かれました。
水回りがきれいかどうかを、ホテルのホームページの写真で判断します。大浴場がある場合は、更衣室がきれいかどうかもチェックしますね。
プライベートでもビジネスでも、ホームページの写真で客室・浴室のきれいさや新しさをチェックします。浴室は、バスタブが年季の入ったような濃いめ色や、洗面とバスタブが近い3点式ユニットバスだと「古そうだな」と感じます。
バス・トイレは別が一番。シャワーだけだと狭くて落ち着かないイメージがあり、冬場は体が温まらないので、バスタブがあることは優先順位が高いです。
口コミをチェックしますが、悪い口コミは清潔感や水まわりに関するものが多い印象。お風呂の清潔感やにおいに関するもの、換気扇がうるさい、などネガティブな口コミを見ると候補から外そうかな、という気持ちになります。
パートナーと泊まるときはバス・トイレは別を選ぶ。一人で3点式ユニットバスの部屋になった時でも、浴槽が広いところ、足を伸ばせるようなところを選びます。
お風呂では「リラックスできる」ことが最重要!
さらにプライベート利用では、「非日常を楽しむ」という声も。
利用シーンを問わず、お風呂に求めるのは心身の「リラックス」。
慣れない出張先での仕事や、たくさん歩いたり遊んだりする旅行では、いつも以上に疲れが溜まるもの。そんなときにゲストがお風呂に求めるのが「リラックス」です。
バス・トイレが一緒になった3点式ユニットバスでは、衛生面が気になったり、浴室や浴槽がせまくなったりして「リラックスできない」と考えるゲストが多い印象。3点式ユニットバスの場合でも、足が伸ばせる広さの浴槽であることや、大浴場付きホテルを選ぶなど、入浴でいかにリラックスできるかが重要なポイントのようです。
プライベート利用では、お風呂の中でも旅の非日常感を楽しみたい。
リラックスに加えて、日中の旅の延長としてお風呂でも非日常感を楽しみたい、と考える方も多数。高いデザイン性の浴室や、広い浴槽、眺望の良さなど、浴室そのものの魅力はもちろん、お風呂の入り方や楽しみ方も含め、自宅のお風呂では叶えられないことをホテルの浴室に求めていることがわかります。
窓からの景色が良くてゆっくり浸かれるシチュエーションはいいですね。開放感が得られると思います。景色が見えるとなったら夜と朝に入っていいし、普段入らない時間にも入浴する可能性もあるかなと。自宅では外の景色が見えないし、非日常的な空間で入浴を楽しめるのはいいなと思います。
旅先では半身浴をしながら読書をすることが多いです。家では仕事のことや「これをやらなきゃ」とかいろいろ考えてしまうけど、ホテルの非日常の空間ならリフレッシュできますね。
推し活で泊まる時はお風呂で好きなアイドルグループの音楽を聴いたり、ライブの映像をスマホやタブレットで見たりします。コンサートの余韻をもうちょっと楽しみたい時、自宅よりもホテルのお風呂は楽しませてくれる気がします。また創作物も好きなので、映画や小説の主人公になった気分で、ちょっとした詩を書いてみたり、小説の続きを妄想したりしています。
リラックスや非日常の演出に一役買うのは、
アメニティやアロマ。
アメニティの充実は、化粧品などの荷物を減らせるメリットはもちろん、よりリラックス効果や非日常感を楽しむためにも、男女を問わず重視している人が多くいました。入浴剤などを持参したり、旅行先のコンビニで1回分を購入して使うという人も。普段と違うバスタイムを楽しみたいゲストにとって、欠かせない要素の一つと言えそうです。
海外のホテルではバスジェルがあることが多く、泡風呂にして入浴しました。いつものお風呂と違って楽しいですよ。国内でもあったら使うと思います。
アロマが好きなので、浴槽に垂らしたり、浴室にスプレーします。リラックスできる香りで、いつもと違う雰囲気を作っています。出張で泊まった時に入浴剤を入れることも。袋に入っているおしゃれな入浴剤は普段家ではあまり使わないので、出張の時のご褒美として、最後ふーっとリラックスするのに使っています。
いいホテルだとバスジェルが付いていて泡風呂にしたり、バスソルトを入れて汗をかいたり、たまにスクラブ入りのアメニティがあると顔や体をマッサージしたりします。寝る前にリセットする意味で、一日の最後に意図的にバスタイムをとってリフレッシュしています。
ホテルでの特別なバスタイムを求めて、
ホテル選びから入浴方法まで、こだわりがいっぱい。
宿泊ゲストは、旅行や出張中のバスタイムをかなり重視し、ホテルを探す段階から、どのような過ごし方ができるかを想像しながらホテルを選んでいることがわかりました。
改めて、ゲストがホテルの浴室に求める価値を考えると、以下の3つに整理することができそうです。
・一日の疲れをリセットできること
・いつもと違う環境で、ゆっくりリラックスして過ごすことで、明日への活力を得られること
・雑念から切り離された特別な空間で、いつもと違う自分になれること
眺望や浴室に割けるスペースなど、簡単にはクリアできない制約もあるとは思いますが、その中でも工夫次第でホテル浴室の価値を高めることは可能です。次回は、新たな浴室作りによって、浴室の価値向上を叶えた事例をご紹介します。
いかがでしたでしょうか。
ゲストがホテルの浴室に求めること、それによって叶えたいことが
具体的にイメージできたかと思います。
今すぐ取り入れられる工夫や、これからの改善点の洗い出しなどにお役立ていただければと思います。