CASE 08　暮らしやすさとデザインを両立する「世界最高峰の窓」

きっかけは東日本大震災でした。当社の独自性について考え、デザイナーズ住宅を提供しはじめようと思った矢先に3.11を迎えたのです。震災が落ち着いたとき、震源地に近いここ大船渡にデザイナーズ住宅は本当にふさわしいのか疑問を抱きました。

最新の住宅情報を研究する中で、スマートハウスや高気密高断熱の住宅へのニーズの多さなどから、暮らしやすさを考えれば住宅の高性能化は必須だと考えました。でも、それだけで充分なのか。お施主様が本当に住みたい、建てたいと思うのには、やはり「カッコイイ」ということも重要なのではないかと改めて考えたのです。震災前と震災後で考えていたことを両方取り入れ『性能とデザインが共存する住宅』を提案していこうと決めました。

そんな私たちの想いを体現するのが、この社屋兼モデルハウスです。高気密高断熱はもちろん、外観やエクステリア、インテリアなども意匠を凝らしました。それこそが、家の内と外すべてをトータルでご提案していく私たちのスタンスを、お客様に感じ取ってもらえる近道だと思ったのです。

ここ大船渡は岩手ですが、平成25年改正省エネルギー基準では仙台など南の地域とおなじ4地域に分類されています。だから過剰なスペックの住宅はいらないという方も多くいらっしゃいます。

しかし、それはおかしいと思うのです。3地域に分類されている盛岡と比べても、平均外気温は2度程度しか変わりません。そのため私たちは、快適に過ごせる住宅を実現するために北海道の基準を超えた断熱性能の家を提案しています。

断熱性能を上げるために最も重要なのは窓です。天井や壁の断熱材を厚くするよりも窓を変えたほうが、効果が高く快適な室内空間が実現できます。窓は一番熱が出入りする箇所になるからです。
しかしながら、窓にこだわるユーザーはそう多くはいらっしゃいません。そして、世の中にどのような高性能窓があるか詳しい方も、残念ながら多くはいらっしゃいません。知らなければ選ぶこともできない。そう考えるからこそ、このモデルハウスにも5層ガラスという世界最高峰の性能を持つ『レガリス』を導入しました。

『レガリス』の効果はサーモカメラで見れば一目でわかりますね。通常は周りの壁と窓で温度差があるのですが、この窓はほぼ壁とおなじ断熱性を示しています。単板のガラスだと近づくだけで感じる冷気もまったく感じません。

普段の取り扱いや施工性という点でも優れています。5層ガラスと聞くととても重いものを想像されるかもしれませんが、そんなことはありません。トリプルガラスの窓とほとんど遜色なく、弊社の職人が施工するときも重いという声は出ませんでした。

サッシの太さも配慮されていますね。外観や内装をデザインするとき、よく「線を細く」と言います。太いものを使うより、細いものを使うほうが、野暮ったさや重さが消えてキレイに見えます。『レガリス』は断熱性を最大限高めているのに、従来品の樹脂サッシよりスリムですね。性能もデザインもこれまで以上の水準だと思います。

家を建てる仕事は、ひとりではできません。依頼してくださるお施主様がいて、協力してくれるメーカーさんや一緒に働く大工がいる。人対人の仕事です。その関係性を大切にするために、特にお客様には私たちのことを知ってもらわないといけないと思っています。

異業種の、たとえばネイルサロンと一緒にオープンハウスを開催したときは、普段出会えないようなお客様がたくさんいらっしゃいました。もちろんすぐご依頼していただける訳ではないですが、そうやって地域の方々と関係性を築いたり、私たちの性能とデザインを追求したいという想いを知ってもらったりして、信用してもらうことがいい家づくりにつながると考えています。

私個人としては、トリプルガラスは当たり前になってほしいと思っています。そんな考えがあったから、世界で初めて『レガリス』を導入したのです。そこには私たちがどんな工務店なのかを知ってもらうために導入した側面もあります。このモデルハウスに来ていただくだけで、最も高性能な窓を見ていただけますし、なにより私たちが掲げる高性能住宅を理解してもらいやすいと思っています。

※現在エルスターＸは終息しております。後継商品は樹脂窓 EWをお求めください。