日本の窓を、考える by LIXIL

デザインに寄り添えば、窓は劇的に進化する

佐藤伸一、宮本進一(LIXIL)

基幹サッシの刷新「アトモス」「デュオ」

基幹サッシだった「ニュー太陽」は15年を経て、86年(昭61)に「アトモス」にモデルチェンジされた。アトモスは〈130の改良〉を うた い、さらに2004年(平16)のモデルチェンジで「デュオ」が誕生。ともに宮本さんが開発に携わった。
「デュオPGは複層ガラスのアルミサッシです。ガラス面は結露しにくいのですが、室内側のアルミの結露水で、サッシが取り付く木枠部分が汚れたり、傷む恐れがあるのが課題でした。それを最小限に抑えたい。そのために木枠に接触するアングル部分だけを樹脂に替えました。発想は単純ですが、自信はありましたね」と宮本さん。
しかし開発過程で、慎重な営業サイドから、施工中に樹脂が折れるかもしれない、施工者に敬遠されると大きな抵抗に遭い、それを跳ね返すために過酷な条件下の実験を繰り返して初志貫徹。「基本性能がしっかりしているため、現在も需要があるんです」と、宮本さんは微笑む。

アトモス 1986年 

アトモス 1986年部屋の雰囲気に合わせた性能、意匠の障子を揃えた。

「ニュー太陽」以降の基本性能の向上を図り、「130の改良」を行った。一つのサッシ枠でサッシ戸(障子)を標準、防音、和風の3種類から選んで、入れ替えることができた。網戸や雨戸、面格子などの構成部材も豊富にラインナップした。

デュオPG 2004年 

アルミサッシの結露は長年の課題であり、サッシ枠が床板や柱に取り付くアングル部は、結露水により木部を傷める恐れがあった。デュオは業界で初めて、その部位を樹脂に替えて、高く評価された。

デュオPGデュオにはPG(複層ガラス)とSG(単板ガラス)がある。
レールレールに溜った水はホローを経由し排水される。通気工法による厚壁化に対応し出幅を8?@拡大。

断熱に特化した2つの製品 

サーマル 1995年サーマル 1995年
サーマルは、アルミの枠とフレームそれぞれに、樹脂素材部品を組み込むことで、内外の熱伝導を抑えた断熱・防露サッシ。樹脂サッシと異なり、内観もアルミなのでシャープさがある。
シンフォニー 1999年シンフォニー 1999年
複層ガラスによる断熱性と、室内側に樹脂形材、室外側にアルミ形材を用いたアルミと樹脂の複合構造による断熱サッシ。室内側の樹脂に木目カラーの色柄バリエーションが用意されている。

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公開日:2018年06月30日