LW のレシピ vol.6

来客をもてなす和室の美しい窓

藤原昌彦(建築家、バウムスタイルアーキテクト)

 LWのレシピとは、TOSTEMの大開口窓「LWスライディング」を日頃ご愛用頂いている建築家・設計士の方々に、実際の採用事例からLWの魅力や採用にあたっての工夫を、ご紹介するWEBコンテンツです。

#6
建築家/バウムスタイルアークテクト
藤原昌彦氏

 「御津の家」は、岡山市郊外に暮らす 30 代ご夫婦と 2 人のお子さんの住まい。敷地は南西道路の整形地ですが、3 方向に隣家が建っているため、南西の庭に向けて開くように「ヘの字型」に建物が配置されています。これにより、どの部屋の窓からも庭を眺めることができます。

 ここで注目したいのが、玄関の位置。建物の裏側(北面)にもっていくことで、道路から距離が生まれ、アプローチを長くとることができます。来訪者は、奥へと続く小道を歩きながら「どんなお住まいだろうか」とわくわくした気持ちを募らせることでしょう。

奥の玄関へと続くアプローチ(撮影:笹倉洋平)

 そして玄関ドアを開けると・・・・正面には和室があり、その奥の窓の向こうまで視線が抜け、庭の緑が「ようこそ」と言わんばかりに出迎えてくれます。大きな玄関ホールではありませんが、玄関―和室― 庭のつながりが空間に奥行きをもたらし、アプローチで抱いたわくわく感に応える「おもてなし」が伝わってくる玄関です。

来客を最初にもてなすのは、庭の緑(撮影:笹倉洋平)

LWを和室に活かすポイント

① スクエアタイプで開口を絞り、庭を美しく切り取る

1500×1500mm の小さすぎず大きすぎないサイズにすることで、茶室の躙り口のような趣をもちながら、庭の緑を十分に取り込むことができます。細めの桟の障子を合わせることで、モダンな和室になります。

障子を閉めた様子(撮影:LIXIL)

② 引き込み代は床の間を利用する

LW は、引き込み代をセットで考える必要があるため、「壁」の存在も重要です。ここでは、床の間も含めることで引き込み代を違和感なく確保しています。4.5 畳の和室と 1500×1500mm の LW は相性がよさそうです。

窓のサイズを絞ることで、外の景色が際立つ(撮影:笹倉洋平)

◎LW 開口平面詳細図

③ 窓際に座って庭を眺められるように

せっかく美しい庭があるのに、室内から眺めるだけではもったいない。窓辺に座って木々をより近くに感じられるようにしたいものです。外付けする LW は、床とテラスをフラットに納めることができませんが、そのぶん写真のように座りやすい窓になります。ウッドデッキや縁側と組み合わせるのもよいでしょう。枠や引き込み部分の素材や色を外壁材と揃えれば、よりきれいな窓まわりになります。

インタビュー前に座って確認する撮影スタッフ(撮影:木藤阿由子)

◎LW 開口平面詳細図

LW は、リビングなどの大開口に使用されることが多いですが、和室のような光を絞りたい空間には、小ぶりなサイズを選んで、庭とセットでおもてなしの窓を設えるのもおすすめです。

南西の庭から見た外観(撮影:笹倉洋平)

◇物件情報

延床面積:35.4坪
敷地面積:80.0坪

◇出演者情報

ゲスト:
建築家/バウムスタイルアーキテクト

藤原昌彦 氏

木藤阿由子氏

司会進行:
株式会社エクスナレッジ
『建築知識ビルダーズ』 編集長

木藤阿由子 氏

◇商品サイト

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公開日:2024年09月30日