LWのレシピ vol.5 建築工房零

外付けサッシの特性をデザインに生かす

小野幸助(代表取締役社長、建築工房零)

LWのレシピとは、TOSTEMの大開口窓「LWスライディング」を日頃ご愛用頂いている建築家・設計士の方々に、実際の採用事例からLWの魅力や採用にあたっての工夫を、ご紹介するWEBコンテンツです。

#5
代表取締役社長/建築工房零
小野幸助 氏

『十符の杜 住宅展示場 モデルハウス』

「十符の杜 住宅展示場モデルハウス」は、2020年7月に完成した建築工房零のモデルハウス。片流れの大屋根に板壁とガラスの開口が交互に並ぶ外観は、道行く人の目を惹きつけます。取材中には、通りがかりのご夫婦が「建物を見て気になったから」とふらっと立ち寄っていきました。

延床48坪(住居部分37坪)の住宅では、3カ所にLWを採用し、太陽や庭とのつながりを提案しています。「仙台でフルオープンにするのは、気候のよい5月くらい。あとは閉めて過ごしていますから、閉めているときに美しいことが重要なんです」と小野社長。この家では、LWの特性を生かし、より美しく見えるデザインを試みています。

道路から見た「十符の杜 住宅展示場モデルハウス」の外観。山採りした樹木が庭に植えられており、道行く人にも季節を感じさせる佇まいになっている

LWをデザインに活かすポイント

1. 外付けサッシは外から見ても美しくみえるように

この家の南側外観は、ガラス(開口)と木(壁)を1間ごとに交互に並べています。開口にはLW(1,600×2,100mm)を採用し、木の壁の部分はLWの引き込み代の役割も果たしています。

LWは外付けのため、どうしても外観上のサッシの存在が強くなってしまいますが、同社では外壁(木の部分)を220mmほどふかして、サッシの存在を消しています。さらに上部FIX窓との間の小壁を、サッシと同じ黒に塗装して、木部と黒壁のコントラストを効かせています。また、外壁に厚みをもたせたことで木のマッシブが強調され、重厚感のある外観に仕上がりました。

外壁(木部)に厚みをもたせ、ガラス部分との強弱をつけている。木塀で完全に囲うのではなく、少し開けておくことで道行く人が庭越しに建物を見ることができる

1間の外壁の室内側はリビングのテレビボードを設えている

2. 窓の外側に見たいものを置く

この家の特長の1つに、玄関の内外に設けられた土間空間があります。玄関土間は庭へとつながる通り土間になっており、観葉植物や薪ストーブが置かれている一方、外側はピロティにしてバイクや自転車などの置き場所になっています。内外の土間空間をつないでいるのがLWです。

玄関を入ると、通り土間が庭へと続いている。リビングとも一体になった広い土間は、さまざまな使い方ができる

ピロティにはバイクが置かれている。あえて窓のそばに置いて、室内からもバイクを眺められるようにしている

ダイニングからピロティのバイクまで視線が抜ける

外観正面。片流れの下端の軒先をぐっと抑え、コンクリートの塀を立てることでピロティのプライベート性を高めると同時に、外部の視線を気にせず窓を開け放せるようにしている

3. 2つのLWをコーナーに使って広がりを演出

建築工房零では、LWをコーナーによく使うといいます。コーナー窓は、窓と窓をできるだけ近づけることで外との一体感が生むことができます。しかし、2つのサッシを直接柱に留め付ければ、柱を傷めてしまいます。柱をふかして欠損を減らすこともできますが、今度は柱の存在感が増して抜け感が損なわれてしまいます。その点、LWは外付けのため、柱を傷めずに限界まで窓と窓を近づけられるため、コーナーがすっきり納まるのです。

2つのLWを使用し、土間空間のコーナーを軽やかにまとめている。日が当たるのでサンルームでも観葉植物もよく育つ

コーナーの部を外から見た様子。サッシは外側の角柱に取り付けられている

注文住宅だからこそ実現できるLWのコーナー窓は、特別感を演出できます。ぜひ、挑戦してみてください。

◇物件情報

延床面積:37.25坪

  • ※事務所スペースは除く

◇出演者情報

ゲスト:
建築工房零 代表取締役社長

小野幸助 氏

木藤阿由子氏

司会進行:
株式会社エクスナレッジ
『建築知識ビルダーズ』 編集長

木藤阿由子 氏

◇商品サイト

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公開日:2023年06月30日