LWのレシピ vol.3 neie

LW収納部FIX仕様で美しい全面大開口をつくる

畠山博敏(一級建築士、neie)

LWのレシピとは、TOSTEMの大開口窓「LWスライディング」を日頃ご愛用頂いている建築家・一級建築士の方々に、実際の採用事例からLWの魅力や採用にあたっての工夫を、ご紹介するWEBコンテンツです。

#3
一級建築士/neie
畠山博敏 氏

『緑と暮らす平屋』

郊外の住宅地に建つ「緑と暮らす平屋」は、車通りの多い道路に面しているため、周囲の喧騒を遮断しながらも閉鎖的にならずに暮らせることが求められました。敷地に合わせて東西に長い平屋は、「閉じる空間」と「開く空間」を交互に配置したプランです。neieの畠山博敏さんは「開くところと閉じるところのメリハリをつけて、開くところは内外のつながりを重視した」と言います。閉じる空間は窓を最小限にとどめ、開く空間(玄関とリビング)は、壁面を後退させて道路から距離をとることで、気兼ねなく開放できるようにしています。

LW3plan

開放的な空間をつくるためにリビングの窓に採用したのが、「LW収納部FIX仕様」。
サッシ引き込み部分をFIX窓にすることで幅4200㎜の大開口を実現しています。 壁一面の大開口は、耐震性の面で弱点となりますが、ここでは両側の「閉じる空間」で耐力壁をしっかり確保しているので、耐震等級3を実現しています。

リビングの南側は全面窓に。道路からの視線を遮るために木塀を立て、テラスとの間に幹の細い樹木を複数植えている。緑のフィルタがあることで、室内から塀までの間に奥行きが生まれ、道路側を気にせずに窓を開放することができる

リビングの南側は全面窓に。道路からの視線を遮るために木塀を立て、テラスとの間に幹の細い樹木を複数植えている。緑のフィルタがあることで、室内から塀までの間に奥行きが生まれ、道路側を気にせずに窓を開放することができる

LW収納部FIX仕様の設計ポイント

LWは框が隠れるため、外部との一体感をもたせることができます。ここではさらに窓まわりを美しく見せるために畠山さんがこだわった3つのディテールを紹介しましょう。

① 窓幅に合わせて壁をふかしている

せっかくの大開口ですから「壁一面の窓」を演出したいものです。リビングの幅は、構造上、柱の芯-芯で4,500㎜ありますが、LW(内法:幅4,200㎜×高さ2,070㎜)に合わせて壁をふかし、窓の両側に余分な小壁ができないようにしています。内外の壁の色をそろえているので、テラスとの一体感も生まれます。

図面
リビングに隣接するダイニングキッチンとの間仕切り壁を見ると、ふかした分の厚みが分かる

リビングに隣接するダイニングキッチンとの間仕切り壁を見ると、ふかした分の厚みが分かる

② 天井と軒天井を連続させている

この家では、LWを軒天井面に合わせて設置し、室内の天井と軒天井を同じ板張りにして連続させています。連続性を損なわないようにブラインドボックスは天井に埋め込みました。一方、下端は床と同じフローリング材を用いて奥行300㎜ほどのベンチを造作し、リビング側とテラス側にも向いて座れる場所をつくっています。

図面
テラス

庭から見たテラス。LWが天井付けできれいにおさまっているのが分かる

下端をFLに揃えたほうがテラスには出やすくなりますが、天井と軒天が連続しているほうが外への視線の抜けがより強調されます。

庭

インタビューの後半はベンチに座って庭を眺めながら。壁の向こうは交通量の多い道路だが、まったく気にならなかった

③ 方立を壁の仕上げと統一

大きなガラス面を支える中央の方立は、細すぎず、太すぎず。壁と同じ仕上げにして存在感をやわらげています。

縁側

日当たりもよく、かつての縁側のようなくつろげる空間に

畠山さんは、窓を美しく見せるためにLW以外の窓にも工夫を凝らしています。下の写真は「閉じる空間」の窓。コンパクトなFIX窓にして、通風は下部のガラリ戸から取り込んでいます。

窓

枠まわりを造作し、まるで家具のような窓に設えている

◇物件情報

延床面積:32坪
敷地面積:103坪

◇出演者情報

岡村未来子氏

ゲスト:
一級建築士/neie

畠山博敏 氏

木藤阿由子氏

司会進行:
株式会社エクスナレッジ
『建築知識ビルダーズ』 編集長

木藤阿由子 氏

◇商品サイト

このコラムの関連キーワード

公開日:2023年03月31日