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「メゾン・エ・オブジェ & パリ・デコ・オフ 2020から読み解くインテリアのこれから」

安藤眞代 (インテリアデザイナー、studio Ma 代表)

『メゾン・エ・オブジェ 2020』パリ郊外にて開催

面積約11万3,000㎡。大小のブースで約2900社が出展していました。パリ市内ではトップブランドの新作ファブリックの紹介でしたが、この会場では、家具、照明、小物など、インテリア全般に関わるアイテムが出展されていました。

メゾン・エ・オブジェ 2020

Photo:Studio Ma

ファブリックのカラー、パターン、クオリティから読み解くトレンド

黄色、マスタードイエローからオレンジカラー

Photo:Studio Ma

ミラノサローネ2019 でも観られましたが、黄色、マスタードイエローからオレンジカラーは、今回の展示でも多く見られました。地球規模でデザインを考える観点からアースカラーはキーワードになっていると感じました。

サファリからのインスパイアされたデザイン

Photo:Studio Ma

サファリからインスパイアされたデザインも多く展示されていました。とても素敵でした。

ポストレトロモダンな解釈でのアールデコ系のデザイン

Photo:Studio Ma

ポストレトロモダンな解釈でのアールデコ系のデザインも各メーカー多く発表していました。

籐編みラフィア

Photo:Studio Ma

フランスは他の国と比べてもインテリアに柔軟性があり、新しいアイデアや素材を取り入れるのが早いと感じます。今回見ていると、ごつごつとした素朴な素材、籐編みラフィアなどは注目されていると感じました。特に印象的だったのは、あえて手を加えない未加工の自然素材の人気が高かったことです。これは若い世代で顕著にみられるオーセンティシティ(本物であること)、耐久性、自然とのつながりを重視する時代性からインスピレーションを受けたものだと思いました。

注目デザイナー YURIHIMURO(氷室ゆり)

注目デザイナー 氷室ゆり

Photo:Studio Ma

氷室ゆり氏、多摩美大卒のテキスタイルデザイナーです。デザインやインテリアの様々な賞の受賞歴も多く、期待の若手として、国内外問わず注目が高まっています。私も4年ほど前からミラノサローネの若手コーナーでも出展する彼女を応援していました。遊び心のあるデザインと独自の技術によるオリジナルファブリックが人気です。ファブリックをハサミでカットすると、異なる色柄が中から現れる二重構造になった布や見る方向によって布の絵柄が変化するアイテムなどもあり、今後も彼女の動向は注目したいと思っています。

シーシータピス(cc-tapis)

シーシータピス

Photo:Studio Ma

カーペットメーカー。カーペットの形を従来の四角や丸ではなく、色柄によって様々な形になるものが展示されていました。床に敷くだけではなく壁に掛けたりすることでより印象的に魅せていました。カーペットにLED照明が埋め込まれ、踏むと光るものもありました。美しいと言えるかはわかりませんが、自然にインスピレーションを受けたデザインもあり、見せ方にアレンジの加わったおもしろいブランドだなと思いました。

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公開日:2020年10月28日