風が吹き抜けるパッシブデザインの保育園

2階の３〜５歳児用トイレ。右手奥のピンク色のドアが大人用トイレ

1階の0歳児トイレでは、おむつ交換台を主に使いますが、1歳になると便座に座れるので低い便座を使います。後で紙巻き器の下に付けた黄色いかごにトイレットペーパーを1回分入れてあげると、園児が自分でそれを使って拭いています。
2階の3〜5歳児のトイレでは、よく男の子たちが取り合っている小便器があります。手洗いに近い場所ですが、おそらく左手に衝立があるので、姿が隠れて心理的に落ち着くのではないでしょうか。個室のほうは特に取り合いにはなっていませんが、もしブースの扉の色が違っていたら、好きな場所ができたりするかもしれませんね。トイレの扉が開き戸なので、勢いよく開けた際にぶつかる可能性がるので、公衆トイレと同じように廊下に並んで、誰かが出たら順番に入る、ドアはノックするなど、社会のマナーを身につけるように教えています。
子どもたちにとってのトイレは先生の目から解放される場所でもあるようで、ずっとトイレの中で歌を謡ってのんびりする子もいます。自分だけの世界に浸れる場所になんですね。
子どもたちと同じ場所の奥に大人用のトイレがあります。開放的な空間なので先生方も最初は抵抗がありましたが、いまは慣れました。子どもたちの話をこっそり聞くことができるので、より子どもたちを知ることができます。急に出て行くと、「聞かれちゃったー」なんて気まずそうにしていますよ。
2階のトイレの入口はとにかく開放的で明るさがあり、声もよく聞こえます。ガラス窓がたくさんあるので、5歳児の部屋からでも奥のトイレに並んでいる園児の姿が見え、混み具合や危険な行為など、子どもたちの状況にすぐに気が付くことができます。突然遠くから大きな声をかけると「先生どこでも見てるー」なんて言われます。園舎自体がどこからでも見える視認性が高い空間なので、私たち職員も子どもたちを見守りやすいと思っています。