ブランディング名刺の作り方2
中小企業診断士 市岡直司(株式会社市岡経営支援事務所)
先回、ブランディング名刺を作るポイントとして、8つの質問を紹介しました。今回は私の過去の名刺を事例として、この質問に答える形式で内容を見ていきます。
以下、ブランディング名刺をつくるポイントとなる8つの質問とその解答です。ほとんどの解答内容が名刺の中で記載されているのがわかると思います。
①あなたの商品・サービスは何か?
- 補助金申請、経営診断、経営革新・創業サポート
- 経営計画、事業計画策定
- 組織活性化、現場改善、IT支援、セミナー研修など
②あなたの商品・サービスを通じてできることは何か?
- 一番売りたい商品・サービスは、補助金申請支援で採択?支給までのサポート
③ターゲットは誰ですか?
- 補助金を利用して資金調達したい経営者
④その方の悩みは何ですか?
- 補助金申請を過去にしているが、難易度が高く採択できない
- 実績・確率が高い専門家に任せたい
- 採択後の文書作成が複雑で自分でできるか心配
⑤なぜあなたは解決できますか?
- 補助金審査員の経験より、採択させるノウハウがある
⑥どこで、どのように提供しますか?
- 愛知県、岐阜県、三重県の東海エリア
⑦権威づけできるモノはありますか?
- 愛知県・岐阜県・三重県での補助金獲得実績8億円
⑧商品・サービスの価格は?
- 成果報酬型、着手金なし(不採択時の報酬なし)
私の名刺の場合、いくつかある商品・サービスの中から「補助金申請サポート」に絞っています。何種類か別の名刺も用意して、このブランディング名刺は補助金・資金調達などに興味がありそうなお客さま(経営者)にお渡しするようにしていました。
つまり、ターゲット層を「補助金を利用して資金調達したい経営者」に絞り込んでいます。
そして、補助金を利用して資金調達したい経営者のニーズ(お困りごと)を以下のように想定しました。
- 補助金申請を過去にしているが、難易度が高く採択できない
- 実績・確率が高い専門家に任せたい
- 採択後の文書作成が複雑で自分でできるか心配
このニーズ(お困りごと)は、お客さまとの面会時に直接伺うなどして情報収集していました。このようにターゲットとなるお客さまが、どんな悩みをもっているか把握・分析しておくことはとても重要です。まだお客さまの悩みが十分把握できていない場合は、お客さまに「いま一番困っていることは何ですか?」と直接聞いてみるのが良いでしょう。商品・サービスの提供側では気づかなかった悩みを抱えている場合もあり、新たな発見があるかもしれません。
そして「なぜお客さまの困りごとを解決できるか」ということと、「その提供者があなたでなければならない理由は何か」というのが、ブランディング名刺の内容の肝です。
私の場合、その質問への解答が、
⑤なぜあなたは解決できますか?
→補助金審査員の経験より採択させるノウハウがある
⑦権威づけできるモノはありますか?
→愛知県・岐阜県・三重県での補助金獲得実績8億円
になっています。この⑤と⑦の解答が、「あなたでなければならない理由」つまり、「あなたが選ばれる理由」なのです。
この「あなたが選ばれる理由」の多くは、過去の実績や経験だったり、いままで培ってきたノウハウ、専門の資格などが該当します。実績などがまだ少ない人でも大丈夫です。「どれだけ研究・努力してきたか」ということをアピールしたり、「理念や理想を実現したい気持ち」を伝えるという方法も有効です。
いかがでしょうか?このブランディング名刺を作るために必要な8つの質問をもとに、ぜひビジネスに直結する名刺を作ってみてください。
このコラムの関連キーワード
公開日:2019年01月08日