名刺を使ったブランディング
(その1~残念な名刺とは~)

中小企業診断士 市岡直司(株式会社市岡経営支援事務所)

みなさんのビジネスにおいて「名刺」の役割とは何でしょうか?

名刺を交換することは、基本的で何気ないコミュニケーションと言えます。特にビジネスの場であれば、そこから利益を生む仕事のきっかけとなります。非常に重要な最初のコミュニケーションなのです。

あなたにとって名刺が単に自分の会社名と名前、連絡先を伝える道具だとすると、貴重なビジネスチャンスを逃してしまっている可能性が高いです。特に独立・起業した当初で、お客様や見込み客がほしい時は、名刺交換は貴重なビジネスチャンスとなります。このチャンスを活かしきれていない方はとても多いのです。

あなたの名刺はお客さま獲得に役立っていますか?

今回は、巷にあふれている残念な名刺の特徴と、「名刺」を単なる自己紹介の道具としてではなく、ビジネスに直結する見込み客の獲得や、販売促進に有効な道具にするにはどうしたらいいかをお伝えしていきます。

残念な名刺の特徴とは

今回は私の名刺を事例として、「残念な名刺」を見ていきます。

下の「名刺」はよく見かける名刺の一例になります。みなさんもこのような名刺を多く見かけるのではないでしょうか?

この名刺のどこが残念なのか、わかりますでしょうか?

①会社名、名前・肩書きと連絡先しか書かれていない(必要最低限の情報のみ)

ビジネスをしているとこのような名刺に出会うことが多いのではないでしょうか。名刺交換したときに圧倒的に多いパターンと言えます。ある意味、普通の名刺です。

社名(屋号)やロゴマークがあり、その下に「代表取締役」や「代表」と言った肩書きがきて、そして名前があるパターンです。そして下の方には住所や電話番号やメールアドレスといった情報が載っています。

この名刺では、集客や販売促進にほとんどつながりません。

あなたが大企業や、誰もが知っている会社にお勤めならこれでも大丈夫でしょう。しかし独立・起業して間もなかったり、小さな会社の経営者や個人事業主の方がこのような名刺を一生懸命配っても、なんのインパクトもなく、印象にも残らないでしょう。

②あなたやあなたの会社が、何ができるかがわからない

この名刺サンプルでは、私が何ができるのか、対象となるお客さんは誰なのかよくわかりません。私の場合、「中小企業診断士」という資格を入れていますが、この資格だけでは何をしてくれる人なのか、何の専門家なのか、わからない人が多いでしょう。

仕事に繋がったりする場合、名刺から「あなたは何ができるのか」「何の専門家なのか」など具体的な情報が必要です。この内容のままですと、相手に私がどう役立てるのかの具体的なイメージが伝わらないのです。

では、どうしたら良いか。

私の場合ですと、「中小企業診断士」という肩書き(資格)ではなく、例えば「補助金・資金調達の専門家」「獲得金額○○の実績」などお客様に提供できる価値を伝えるメッセージを入れると、具合的な仕事をイメージできるようになります。

では、次回からどのような名刺がビジネスに直結する見込み客の獲得や、販売促進に有効な道具になる「名刺」かを、具体的に見ていきたいと思います。

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公開日:2018年11月30日