独立・起業の心構え2

中小企業診断士 市岡直司(株式会社市岡経営支援事務所)

あなたは何のために起業するのか?

あなたは何のために起業しますか?起業する目的はなんですか?

「社長になりたい」
「自分で事業をしてみたい」
「好きなことを仕事にして楽しく暮らしたい」
「夢を実現したい」

起業する理由・目的は人それぞれと思います。
どんな理由で起業するにせよ、起業するということは、面白くやりがいのある生き方を自ら選択するということだと思います。

「何のために起業するのか」という問いは、「あなたの人生で実現したいことは何か」ということでもあります。この資本主義社会において、起業家になるという道は、もっとも開かれた道であると言っても良いと思います。

まずは「何のために起業するのか」という問いに真剣に向き合いましょう。

会社員時代との違い

サラリーマン・ビジネスマンは、起業すると会社員時代と起業後の環境に戸惑います。そこには経験しなければわからない大きな違い2つがあります。2つとも初歩的なことですが、あらかじめよく認識しておく必要があります。

(1)収入(給料)が保障されない

当然ですが、会社員時代と違って毎月、必ず決められた額の給料が振り込まれることはありません。毎月給料が振り込まれるという安心感は、それが無くなったとき初めて実感するも方も多いです。

私は、約20年の会社員時代を経て起業しましたが、「毎月給料が振り込まれる」という環境に安住していたのだということを独立後に改めて痛感しました。この「不安や恐れ」に耐え、一歩踏み出して行動を起こせないと起業のハードルは超えられません。

しかし、事業を軌道に乗せ、お客様に価値を提供することができれば、その対価として多くのお金を得ることも可能です。そして稼いだお金の使い道は起業家が自由に決めることができます。

(2)すべてが自己責任

起業すると、仕事に対する責任はすべてあなたが背負います。かばってくれる上司はいません。仕事に対する責任は自ら負わねばなりません。

あなたの替わりに仕事を変わってくれる同僚もいないため、病気や怪我などで休むことができなくなり、有給休暇もありません。
会社員時代と違って、病気などで仕事に穴をあけてしまうと、売上も維持できなくなります。健康には、今まで以上に気を使わなくてはいけません。

このように、すべてが自己責任となります。しかし、裏を返せばすべて自由、自分で決められるともいえます。

どんな仕事をするのか、だれと仕事をするか、仕事をしたくない日は休んでもいい。お客さまにしたくない人とは付き合わなくでもよくなります。
そして、自分の思う通りに事業を進めることができます。

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公開日:2018年09月28日